気ままに大相撲論

相撲好き歴28年。思いつくまま相撲の話します。

救済措置について思うこと

現在では大関から陥落直後の場所に10勝すれば大関に復帰できるというのがあることは、ここで言うまでもなく知られていることだと思います。最近では栃ノ心貴景勝が10勝以上を挙げて復帰しましたね。栃ノ心はその後また陥落し二度目は戻れませんでしたが。

 

私が初めて大関陥落を見たのは霧島でした。そして小錦。二人とも翌場所2桁勝つことはできず、その後長く平幕でとっていました。次に見たのが多分貴ノ浪かな。貴ノ浪は一度成功しましたが、その後再び陥落し晩年は平幕で取っていました。この前後の大関と言えば、曙、貴乃花若乃花武蔵丸等、のちに皆横綱に昇進していましたので、大関陥落を見ることも、大関のまま引退する力士を見ることもあまりなかったように思います。

 

その後、千代大海から始まった大関昇進ラッシュ。この中には横綱に昇進した人はいません。そして、出島や雅山などそれほど長く大関にいることなく、陥落した力士も出てきました。また、魁皇栃東などは横綱まであと一歩のところまで行きましたが、惜しくも昇進ならず。そして公傷制度が廃止されたのはこの頃だったように思います。

 

公傷制度の廃止と大関から陥落の関係性についてはここではあまり書きませんが、まぁ間違いなく影響は与えていると思います。もちろん大関だけでなく、関脇以下の力士にも大きな影響を与えていることも確かです。近年では大関から序二段まで落ちた照ノ富士などが有名ですね。もし公傷制度があったらどのへんで留まっていられたのでしょう。ただ、照ノ富士の場合怪我だけではなく病気もありましたから、大関にいられた可能性は低そうです。それでも関取の地位にはいられたのかな。

 

公傷制度について、復活させるとかさせないとか、さまざまな議論があちこちでなされています。前と同じ制度で復活したのではあればまた問題が生じるでしょうから、ここをこうしたほうがいいとかさまざまな意見も聞こえてきます。そんな意見を見聞きした上で私は、公傷制度は復活してもいいのではと考えます。やはり昨年の貴景勝などを見ていたら、公傷制度の重要性を感じずにはいられませんでした。

 

貴景勝は若いし、特例復帰できたからよかったものの、もし公傷制度があれば2019年秋場所はカド番として出場しノルマは8勝だったわけですから。私のような一般人とは精神力がまったく違うのでしょうけど、23歳の若さでこんなに色々なものを背負って、周りからも色々言われ、壊れてしまわないか心配になります。

濫用はもちろん良くないけれど、本当に必要な時には使える制度というのはやはり必要なのではないでしょうか。もちろん、そこの見極めは難しいでしょうけれど。どんな理由があっても全休=全敗と同じくカウントしてしまうとあっては、力士の負担は大きいしこの先相撲界に入ろうなんていう人もどんどん減ってしまうと思います。今後の相撲界のためにも、力士にとって優しい制度が何か作られてほしいと願います。

 

昨日から一気に気温があがり、雪がなくなってしまいました。

それでは、今日はこの辺で。